<秋田さきがけ紙より抜粋>大相撲の伊勢ケ浜部屋に入り「照剛(てるごう)」のしこ名で活躍した秋田県湯沢市上院内出身の元力士山形忠さん(74)が、仙台市の国分町で「相撲茶屋 照剛」を営んでいる。自慢は部屋直伝のちゃんこ鍋。店には郷里の出身者らが定期的に集い、秋田弁で旧交を温める場となっている。院内中学校時代に体が人一倍大きかった山形さんは、地域住民からの勧めで角界を志した。3年時の1965年に東京の両国中へ転入。湯沢市出身の横綱照国が親方を務めていた伊勢ケ浜部屋に弟子入りした。入門時は身長174センチ、体重78キロ。「親方は穏やかな人で口数が少なく“目で話す”人だった」と振り返る。毎日夜明け前の午前3時に起きて朝稽古し、冷水で砂や汗を洗い流してから登校。「学校では寝てばかりだった」。下校すると洗濯や買い物、鍋洗いなどの雑用に明け暮れた。親方をはじめ清国(湯沢市出身)や開隆山(潟上市出身)、清の盛(横手市出身)ら本県の先輩力士に励まされ、無我夢中で下働きと鍛錬の日々を過ごした。角界では小柄で、素早く潜り込んで前さばきで仕留める技を得意とした。72年の春場所では三段目で7戦全勝優勝。幕下まで上がり、10場所を経験した。入門から10年を機に引退を決意。ちょうどその頃、仙台で飲食店を経営する知人から誘いを受け、25歳で料理人の道へ進んだ。「力士時代も肉や魚、野菜などを調理していたので(転身に)抵抗はなかった」。11年の板前修業を経て87年に独立、相撲茶屋を開いた。<力士データ> 最高位:幕下25 本名:山形忠 生年月日:昭和25年4月24日 出身地:秋田県雄勝郡雄勝町 身長体重:176センチ89キロ 所属部屋:伊勢ヶ濱 改名歴:山形忠 → 照見山 → 山形忠 → 照剛忠 初土俵:昭和40年9月 最終場所:昭和50年9月 生涯戦歴:194勝214敗13休/407出(61場所)。
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