88ba0e68バーチャル高校野球 日本高校野球連盟と朝日新聞社は、高校野球の育成と発展に尽くした指導者を表彰する今年度の育成功労賞に、秋田県内から秋田中央などで監督を務めた塚田博さん(65)を選出した。5年に一度、育成や運営に功績があった人が選ばれる都道府県功労者には、金足農業高校長で元県高野連理事長の工藤雅文さん(57)が決まった。第105回全国高校野球選手権記念秋田大会が開幕する7月7日、こまちスタジアム(秋田市)で表彰される。■ 育成功労賞・塚田博さん。塚田さんは、甲子園で金属バットが初めて導入された1974年の第56回大会に、旧秋田市立(現秋田中央)の二塁手で出場した。日本体育大で野球を続け、「今度は監督として後輩を甲子園に連れて行きたい」と教職を志し、9度目の採用試験で合格。角館、旧海洋技術(現男鹿海洋)、秋田中央などで計20年以上、監督を務めた。角館の監督就任1年目の87年。第69回秋田大会で、ノーシードながら準決勝で母校の秋田中央を破り、決勝進出を果たした。「午前に教員採用試験を受け、ユニホームに着替えて午後の決勝に臨んだ」という一戦で秋田経法大付(現明桜)に屈し、甲子園を逃した。分校や専門校、進学校などさまざまな学校を率い、指導法や練習メニューはその都度変えた。だが、一貫して求めたのは、礼儀正しさと感謝の気持ちを持つこと。選手には「野球をとったら何も残らない人間になるな」と語りかけた。野球の指導を離れて15年ほど。現在は秋田北で女子バドミントン部を指導する。受賞に「監督として甲子園出場は果たせなかったが、身に余る光栄」と喜ぶ。「機会があれば、小中学生に野球の基礎を教えてみたい」。野球への情熱は衰えていない。■ 都道府県功労者・工藤雅文さん。工藤さんは秋田中央でプレーし、早稲田大を経て母校などの監督を経験。2016年から3年間、県高野連理事長を務めた。社会人野球の指導者らを招き、県教育委員会とともに県高校野球の強化を進めた。思い出深い大会が二つある。一つは、由利工が21世紀枠で出場した18年春の第90回記念選抜大会だ。由利工では、「地域に愛される工業高校」を目指し、野球部が先頭に立って学校改革に取り組んだ。選考委員会で推薦理由を説明するために与えられた時間は3分半。プレゼンを練りに練り、地域の評価を上げて野球の力も付けたことをストーリー仕立てで紹介した。普段は緊張しないが、「この時ばかりは緊張で震えた」という。もう一つは、同年夏の第100回大会。吉田輝星投手(日本ハム)を擁した金足農が、第1回大会に並ぶ準優勝を果たした。勝ち上がるごとに、チームの宿舎で出迎える人の数が膨らんでいった。工藤さんは主に選手たちの警備などを担当。「力があることは分かっていたが、本当によくやってくれた」と振り返る。今春、高野連副会長に就任し、今夏の105回大会で大会運営の現場に再登板する。「球児が悔いなく野球に専念できるよう、お手伝いしたい」