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部活動の原則休止が要請されていた緊急事態宣言下に県の通達に従わず練習を行い、部員がけがをしていたことが発覚した県岐阜商の村山義広校長(57)は26日、「頭部に打球が当たったにも関わらず、緊急車両を呼ばなかったのは明らかな判断ミス」と謝罪した。同校長によると、9月1日の夕方、鍛治舎巧監督(70)の指示で美濃市内で20人が自主練習を実施。打撃マシンにボールを投入していた部員の額に打球が直撃した。部員は現場にいた教諭の判断により保護者の車で県内の病院に搬送。10日間入院した。現在は体調も回復し、練習に参加している。監督から学校側に事故が伝えられたのは翌2日。同日に県教育委員会に報告書を提出した。同校長は救急搬送しなかった理由について「意識があり受け答えができたため」と説明。「県から示されたガイドラインに則した形で練習すべきだった。20人という人数は自主練習の範ちゅうを逸脱しており意思統一ができていなかった」と話し、再発防止の徹底を明言した。関係者の処分については今後検討するという一方、日本高野連は同校に報告書の提出を要望。到着次第、審議委員会に諮り、日本学生野球協会審査室に上申するかを決める。<2021.10.26> 春夏合わせて4度の日本一を誇る名門・県岐阜商で、県の通達に従わずに練習を行い、その練習中に部員の頭部にボールが当たる事故が起きていたことが25日、分かった。関係者によると、事故が起きたのは、県から小中高の学校に部活動の原則休止が通達されていた緊急事態宣言下の9月1日。同県美濃市内の室内練習場で選手30人以上が “自主練習” として実質的な全体練習を行った。その練習中、打撃マシンにボールを投入する部員の前頭部に、防球ネットをすり抜けた打球が直撃。その場で倒れ込んだ。しかし、練習を指揮していた同校教諭は、119番通報せず、現場にいた保護者の自家用車で県内の病院に搬送するよう指示したという。部員は吐き気を訴え続け、10日間入院。現在も本格的な練習は再開できていない。鍛治舎巧監督(70)は当日、岐阜市内の同校室内練習場で別の部員の練習を指揮しており、ある関係者は「練習を指示したのは鍛治舎監督」と証言。学校側はスポーツ報知の取材に「事故があったのは事実。県(教育委員会)にも報告している」と説明した。県岐阜商 1904年創立。甲子園に春30回、夏29回出場し、春は優勝3回(33、35、40年)、準優勝3回(39、56、59年)、夏は優勝1回(36年)準優勝3回(38、47、56年)。卒業生には、加藤春雄(元近鉄監督)、野村武史(元毎日)、大島信雄(元松竹)、武智文雄(元近鉄)、高木守道(元中日監督)、和田一浩(元中日)、英智(中日コーチ)、石原慶幸(元広島)、シドニー五輪マラソン金メダリストの高橋尚子らがいる。