igasin平成29年夏秋田市立勝平中登録選手小西龍稀(3)、[捕]五十嵐新平(3)、[一]高山隼(2)、[二]黒沢恵吾(3)、[三]藤井日々樹(1)、[遊]〇 柴田和歩(3)、[左]相馬大輝(2)、[中]若松優輝(3)、[右]海津彬生(3)、東海林輝星(2)、太田友臣(2)、佐藤仁星(2)、袴田天汰(2)、加藤蓮大(2)、佐藤蒼記(2)、小西隼和(1)、佐藤祐太(1)、石黒叶(1)、嵯峨陽色(1)、小栁青葉(1)、[責]榎浩幸、[監]石川央季。<バーチャル高校野球> 7月22日、秋田独自大会決勝 明桜7 - 2能代松陽。5点先行して迎えた九回裏。勝利は近いが、野球は最後まで何が起こるかわからない。この回3人目の打者を迎えた明桜の五十嵐新平捕手(3年)は、はやる気持ちを抑えて、マウンド上の長尾光投手(3年)にサインを送った。「ここで決めてくれ」。5球目、要求したのは決め球のスプリット。球はサイン通りきれいにミットに収まり、空振り三振。優勝が決まった。正捕手になったのは昨秋から。直後の秋の県大会決勝は、1、2年生の頃から夏の大会に出場してきた経験豊富な投手2人を抱えながら、能代松陽に敗れた。投手陣の持ち味を生かせなかった反省が残った。冬、9割ほどを捕手の練習に費やした。特に見直したのは配球。外角をより効果的にするため、序盤にもっと内角を攻める。打者の読みを外すだけでなく、投手がどんな球を投げたいかにも配慮する――。思惑通り打ち取れるようになると、ゲームを組み立てる捕手の醍醐味(だいごみ)を感じた。夏の大会が近づき投手陣が力をつけると、「球速140キロ超えの4投手がそろう優勝候補」として注目された。「ピッチャーがいいのに、打たれたら自分のせい」。責任感を背負って臨んだ大会だった。この日は、相手打者が変化球を狙えばコースを突いた直球を、タイミングが合っていなければ三振を奪える変化球を選び、見事なリードをみせた。試合後、つかんだ勝利を喜びつつも「秋田大会は通過点と思ってやってきました」。次の舞台は東北大会。頼もしい言葉が返ってきた。(高橋杏璃)