touyスポーツ報知 2020.4.19> 社会人野球・TDK(秋田)で地元出身の高卒左腕2人が、チームの柱となるため成長すると意欲を燃やしている。3年目の長谷川拓帆投手(20)=仙台育英出=は、けがに泣かされた2年間の思いをぶつけると決意。2年目の佐藤開陸(かいり)投手(19)=能代松陽出=は、ルーキーイヤーの経験を生かして巧みな投球術をみせると意気込んだ。地元・秋田出身の2人の左腕が、TDKを7年ぶりの都市対抗出場へ導くため奮投する。「もう3年目。結果を一番に求めていきたい」と長谷川が話せば、佐藤開は「(失点)ゼロで抑えることを大前提に、テンポよく投げてチームの流れを作れるようにしたい」。大卒選手もいるなか、若い2人が投手陣の軸になってみせる。ここまでの社会人での歩みは対照的だ。仙台育英では3年夏に甲子園8強の長谷川だが、1年目に左膝を手術。昨年は都市対抗東北2次予選で先発も経験したが、腰や左肩に痛みが出て調子が上がらなかった。復活をかける今年は「年明けから調子は良かった」と、3月のキャンプでも十分な投げ込みで力をつけてきた。仙台育英ではプロ志望届を提出するも指名漏れ。万全の状態に近づけば、今年解禁となるプロ入りも見えてくる。佐藤開は昨年、ルーキーながら公式戦で先発するなど貴重な経験を積んだ。それを踏まえ、「全力で投げることしか考えていなかった。(良いときと悪いときの)波が大きかった」と反省を口にした。能代松陽では2年秋に県大会優勝&東北大会4強、3年夏は秋田大会4強入り。あえて全力投球を“封印”し、制球や配球などの投球術で打者を翻弄していた当時を思い起こし、今年は持ち味を存分に発揮して抑えていくつもりだ。「うちは若いチーム。(投手も野手も)試合を重ねていくうちにきっかけをつかめばグッといきそう」と、佐藤康典監督(50)も若手の成長に期待した。7月に予定されていた日本選手権が中止となるなど公式戦はしばらくないが、成長できる時間が増えたととらえたい。「チームが勝たなきゃ意味がない。そのための力になれればいい」(長谷川)、「2年目の自分が活躍すればチームの力になれるはず」(佐藤開)と、勝利につながる力投をみせるために腕を磨いていく(有吉広紀)◆ 長谷川拓帆(はせがわ・たくほ)1999年4月30日、秋田市生まれ。20歳。小3で野球を始め、6年時に楽天ジュニアでプレー。桜中から仙台育英に進み、3年時に春夏連続で甲子園出場、夏は8強。178センチ、82キロ。左投左打。◆ 佐藤開陸(さとう・かいり)2000年8月14日、秋田・北秋田市生まれ。19歳。小1で野球を始める。鷹巣南中から能代松陽に進み、2年秋に東北大会4強。3年夏は秋田大会4強。165センチ、63キロ。左投左打。