bsnm日本高野連が金属バットの性能見直しを検討。【2009.7.17】<神奈川新聞 ゴミの分別は当たり前。スタッフのポロシャツもペットボトルのリサイクル素材のものにするなど、神奈川県高校野球連盟はさまざまな「エコ活動」に取り組んでいる。その一環として、12日に横浜スタジアムで開催された第91回全国高校野球選手権神奈川大会の開会式当日には、使用できなくなった金属バットの回収が行われ、62校から計815本が集まった。ひび割れたり、へこんだりしたバットが次々投げ込まれる。1時間もすると4トントラックの荷台がいっぱいになった。日本高野連が全国一斉で行っているバットリサイクルは、今回が3年ぶり6回目。1992年から始まり、これまでに8万7750本が回収されている。神奈川では今夏、62校から815本が持ち込まれた。関東地区の回収を請け負う秋元金属(横浜市旭区)の元には、群馬をのぞく1都6県から約5300本のバットが集まった。主に手作業でグリップテープなどの不純物を取り除き、溶解されて金属塊となる。肝心の再利用先だが、バットにはできないのだという。「バットの素材は飛行機のボディーなどに使われる非常に高価で、合成が難しいジュラルミン。溶解すると同じ成分にはならない」と同社の秋元康男社長(56)。主な使い道は、車のエンジン部分。特にハイブリッド車に利用されることが多いという。活動が始まった90年代は金属の価格もよかったが、不況で現在は「金属業界も厳しい時代」(同社長)。人件費などを差し引くと、利益はほとんどない。秋元社長は「今は半分はボランティア」と言いながらも、「モノを大切にしようという趣旨に賛同して協力を始めた。一度できたシステムはしっかり組み立てていくことが大事。これからも協力していきますよ」。回収当日は自ら休日出勤して、選手からバットを受け取っていた。県高野連では、今年から開会式の入場行進で補助員に「地球を大切に」と書かれた旗を持たせたり、エコ活動にさらに力を入れている。名塚徹理事長は「地球環境を守るという意識を、若い世代にもっと持ってもらいたい。バットも貴重な資源として、大切にしてほしい」と話していた。