<日刊ゲンダイ> 1月25日、DeNAの筒香嘉智 (27) が日本外国特派員協会で会見を開いた。以前から言及してきた、勝利至上主義によるアマチュア野球指導者の選手酷使や暴言・暴力について改めて問題提起。この日も「大人が守らないと子供の将来は潰れる」と警鐘を鳴らし、少年野球や高校野球でのリーグ戦導入や球数制限ルールの適用について訴えた。「プロ野球選手の (ように) 体ができた大人ですらリーグ戦でやっているのに、体のできていない小さい子供たちがトーナメントをしている。将来がある子供たちを守るには一発勝負のトーナメント制をやめ、リーグ制を導入したり、ルールで球数制限や練習時間を決める必要があると思う」 □高校野球の 「悪」 を伝え切れていない-昨夏、金足農の吉田輝星 (18=現日本ハム) は、秋田県大会から甲子園の準決勝まで10試合連続完投勝利。11試合目となる決勝で12失点を喫し、計881球で途中降板した。過去にも、早実の斎藤佑樹 (30=現日本ハム) は甲子園だけで948球、1998年、横浜の松坂大輔 (38=現中日) も782球を投じている。高校野球はエースがマウンドに立ち続けることが美学とされ、抑えれば 「怪物」、打たれれば 「悲運」。メディアはこぞって感動的な物語に仕立て上げ、高校野球人気を煽っている。筒香はそういったマスコミにも矛先を向けた。「高校生が甲子園に出てやっていることは、あれは部活動です。高校の部活に大きなお金が動いたり、教育の場と言いながらドラマのようなことをつくることもある。新聞社が高校野球を主催していますので、子供にとって良くないと思っている方はたくさんいると思いますが、(メディアは) 高校野球の 『悪』 というか、子供たちのためになっていないという思いをなかなか伝え切れていないのが現状かなと思います」 会場で聞いていた甲子園大会を主催する 「新聞社」 は耳が痛かったに違いない。主催の新聞社にとって高校野球はドル箱事業。朝日新聞は中高生の部活動に対する熱中症の記事を掲載しながら、昨夏の大会で熱中症患者が続出したことへの問題提起は皆無だった。この会見後、春のセンバツ出場校が発表され、筒香の母校である横浜高は5年ぶり16回目の出場が決定。使命感に燃える野球の伝道師は、球界とメディアの間にはびこる悪しき文化も変えるか。https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/246304/2
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