<毎日新聞> 初芝富田林が部員確保に成功しているのは、川之上晃一部長(49)ら関係者の努力があるのはもちろん、地域の特性も大きい。同じ大阪府富田林市内には今夏の全国高校軟式野球選手権準優勝の河南、同選手権優勝1回のPL学園が存在する。河南の田中誠二監督(61)は「大阪府南部は近年、高校軟式野球が盛んになった。中学生の進路として魅力的な選択肢になっている」と指摘する。同選手権の大阪代表校は過去15年間中14回をその3校(PL学園6回、初芝富田林5回、河南3回)で占める。PL学園は部員不足で今秋の大阪大会を欠場したが、この約10年間は互いに競い合い、遠方の強豪校が練習試合に訪れ、それを地元中学生たちが見て高校で軟式野球を続けてきた。河南では部員数も硬式野球部19人に対して軟式28人と「逆転現象」が起きている。田中監督によると、中学時代に硬式経験のある生徒が軟式に入ることもあるという。中学まで本格的な野球経験のない生徒が入部し、主力に成長する例も珍しくないそうだ。軟式は硬式に比べ、選手個々の力よりも、作戦や戦術を含めたチーム力が勝敗を左右する。競技の魅力が多くの人に伝わることが、競技人口減少の歯止めへの第一歩だ。【長宗拓弥】
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