yano朝日新聞バーチャル高校野球 秋田中央のマネジャーでした。2005年の第87回全国高校野球選手権秋田大会では、こまちスタジアムで行われた開会式でアナウンスを務めました。グラウンドに立ってのアナウンスは、この年から始まったそうです。当時、秋田中央では女子マネジャーはグラウンドに入れませんでした。他校のマネジャーが練習の手伝いをするのをうらやましく感じたことも。練習後、誰もいなくなった暗いグラウンドにこっそり入って、いつもと違う景色を楽しんだこともあります。最後の夏の大会を前に、監督に突然大役を告げられました。試合のアナウンスは何度も経験していましたが、まさか開会式でやることになるとは……。人前で話すのが苦手だったので、家で一人、ぶつぶつと練習しました。リハーサルで踏んだグラウンドは、とにかく広かった。当日は朝からソワソワしていました。いざ始まると、あまりの観客の多さに緊張して、周りをよく見渡せなかったです。選手の整列写真を見返すたびに、「こんなにいたんだ」 って驚きます。緊張からか暑さからか、汗がダラダラと流れました。ただ、途中からは吹っ切れて、大舞台を楽しみました。何度か嚙んだような気もしますが、大きなミス無く終わると、解放感!憧れだったグラウンドに入れましたし、良い思い出です。これを機に、自分の気持ちを口に出すことができるようになりました。この大会、秋田中央は失策が響き、1回戦で敗れました。部員たちとは今でも年末の同窓会で笑い合っています。大学卒業後は宮城県内の歯科医院などで働き、2年ほど前、秋田市に戻って当時の一塁手と結婚。今は八橋球場で公式戦があれば、観客席から夫婦で母校を応援しています。(聞き手・神野勇人)