morihttp://www.asahi.com/koshien/articles/ASKD7562ZKD7UBUB00M.html 金足農でマネジャーをしていました。入部のきっかけは友達の誘い。最初は、二塁手と遊撃手の違いすらよくわかりませんでした。部室で試合の映像を見ながら、何度もスコアを書いてルールを覚えました。お茶作り、ユニホーム洗濯、折り鶴……。マネジャーの仕事は様々です。特に球場でのアナウンスは、夕食後に両親の前で練習しました。選手は平日は朝5時に集合し、土曜や日曜も練習。ヘトヘトになるまでしごかれていました。でも、甲子園という目標があるから、みんなで楽しくやれていました。一番の思い出は、3年夏の秋田大会準々決勝です。相手はその大会で優勝した能代商。グラウンドの砂を入れたマネジャー手作りのお守りを手に、スタンドから応援しました。五回裏に金足農が先制すると大騒ぎ。直後に逆転され、また追いつき、みんなで一喜一憂。最後まで諦めませんでした。敗退が決まり、悔しさと感動が入り交じり、涙が止まりませんでした。その後は盛岡市の専門学校で美容を学びました。学内のファッションショーでモデルをやり、小さいころに憧れていた芸能人の仕事の楽しさに気付きました。卒業後、受付の仕事などに就きましたが、どうしてもモデルを諦めきれずに事務所に応募しました。モデルの仕事は楽しいですが、収入面は安定していません。モデルウォークがうまくいかない時など、くじけそうになる。そんなとき、マネジャー時代の帽子やお守りを取り出します。夢に向かって頑張っていた当時を思い出し、気持ちを奮い立たせます。昨年あった東北全体のイベントのモデルに、3回目の応募でようやく選ばれました。活躍の場を広げ、色々な人に一歩踏み出す勇気を与えられるようなモデルになりたいです。(聞き手・神野勇人)