
日本製鉄室蘭シャークス 小林俊己選手 勇退。<2019.11.26> 日本野球連盟北海道地区連盟は11月25日、2019年度北海道社会人野球ベストナイン、連盟表彰者を発表。小林俊己選手 (23=日本製鉄室蘭シャークス) がベストナイン外野手・新人賞を受賞。【2017.9.28】<北海道新聞> 「天国にいる父に良い報告ができます」。北海道六大学野球秋季リーグが9月26日、苫小牧市とましんスタジアムなどで行われ、函館大が2011年以来、12季ぶり9度目の優勝を果たした。主将としてチームを引っ張った3年の小林俊己選手(21)=秋田・能代松陽高=は、東日本大震災の津波で亡くなった父・正さん=享年(50)=と、その後の家族を支えてくれた母・郁子さん(52)に感謝を述べた。勝てば優勝する最終戦は延長十一回までもつれる接戦。小林主将は先制打を放つなど、2安打1打点と躍動した。1点を追う九回には50メートル5秒9の俊足を生かして内野安打で出塁し、同点のホームを踏んだ。外野手として道六大学の今季ベストナインにも選ばれた。小林選手は小学4年の時、兄尚平さん(27)の影響で野球を始めた。父の正さんは野球経験はなかったが、投球練習の的を手作りするなどして小林選手を応援した。しかし、小林選手が中学2年だった11年3月11日、正さんは秋田の自宅を離れ、建設作業員として仙台で海上工事に従事していた。津波にのまれ、遺体は福島県で見つかった。ショックは大きかったが小林選手はすぐ野球の練習を再開した。「野球で良い結果を残して、父に恩返しをしたかった」。高校卒業後は先輩を頼って函館大に進学。今春に野球人生初の主将を任され、まじめな人柄と外野からでも響く大きな声でチームをまとめている。父の死後は母の郁子さんが家族を支えた。介護事務員として小林選手の弁当作りを欠かさず、姉と兄の3人の子を育てた。この日は秋田県からフェリーと車で苫小牧を訪れ、「優勝は誇らしい。父も喜んでいると思います」 と話した。