
夏の甲子園は14日までに出場49代表が初戦を終えた。元巨人チーフスカウトの中村和久氏に 「プロ注目」 の逸材を聞いた。左投手は変化球でストライクを取れる投手が目立った。筆頭格は広陵・
平元だろう。直球とスライダーで同じ腕の振りをするのが最大の武器。普通はスライダーを投げる時に一塁側へ手首が寝るが、平元は手首が寝ないため球種を読まれにくい。相当練習したはずだ。秀岳館・
川端は直球とカーブが良い。
田浦はその2種は川端に負けるが、チェンジアップが増えて投球の幅が広がった。これから研究される中で使いどころがどうなるかか鍵になる。右打者の膝元へクロスファイアを入れられれば、よりチェンジアップも生きてくるだろう。右投手では大阪桐蔭・
徳山が直球に力があった。全体として制球力が上がってくれば、楽しみな投手が多い。打てる捕手が今年ほどそろった年はないという印象だ。広陵の
中村は突出していた。1回戦で逆方向の右へ2本の本塁打。キャッチングも動作が速い。左脇がしっかり閉まっていることが、二塁送球への動作も速くなっている要因だ。プロ志望届を出せば1位候補に入ってくる素材だと思う。プロ入りしたら、スピードある投手をどんどん受けていって、打つ方でも速い球に慣れていけば早い段階で1軍に出てこられるだろう。横浜・
福永は初戦で敗れてしまったが、左中間へソロ。さすが、長打力は際だっていた。神戸国際大付の
猪田は初戦の北海戦では単打2本だったが、長打力はあるだけに、この先の戦いに注目したい。侍ジャパン高校代表候補入りしている中京大中京・
鵜飼はパンチ力があり、スイングが安定している。前橋育英・
飯島は左手首を骨折しながら本塁打をマークした。痛かっただろうが、下半身を使えていたから痛いなりにも回転で打てたのだろう。盛岡大付・
比嘉は遊撃手としての守備力を評価したい。ポジショニングが素晴らしい。打撃でも球種もしっかり絞れており、相当研究しているのではないだろうか。ドラフト候補というよりは有望選手として挙げたいのが東海大菅生・
田中。2年生だが足が良い。相手のポジションをよく見ているし、センスのある選手に育っていくだろう。盛岡大付・
植田と中京大中京・
伊藤はリストが強く、外角の球にも踏み込んで打てていた印象だ。体は決して大きくないが 「小ぢから」 がある。上のレベルを目指していってほしい。花咲徳栄・
西川もリストの強さが目立った。前橋育英・
丸山は腰の回転でスイングできている。真中(現ヤクルト監督)の現役時代を思い出した。初戦で敗れてしまったが、作新学院・
鈴木は内角球を引っ張って右翼線に運べるのが魅力。横浜・
増田もパワーのあるところを見せてくれた。2年生だが大阪桐蔭の
根尾と
藤原はぜひリストアップしておきたい。来年が非常に楽しみな存在だ。