2006daiku<平成26年度猿田興業株式会社登録選手、秋田県軟式野球連盟強化Aランク指定> 渡辺拓(監、選手兼)、○小松大樹、滝沢英之、伊藤智史、川田貴明、中邑裕也、伊藤樹希、佐藤光聡、関健太、安東尚輝、船木正弘、加藤幹康、佐藤慎吾、石山祐介、工藤和貴、山崎健斗、門脇佑真、佐藤裕貴、豊巻和将、[責]中村育馬。<毎日新聞2015年02月17日地方版>−−2006年春の県大会で優勝した当時の主将だ。県覇者となったのは夏、秋の大会も含めて初めて。野球部の創部から44年目のことだった。 この年のセンバツで8強入りした秋田商を準々決勝で破った。まさか優勝できるとは思わなかった。でも夏は8強止まり。今にして思えば、どこかしらおごりがあったのかもしれない。悔しかった。だから、センバツ決定はうれしかったな。自分のことのようにね。−−阿部大樹監督の下、チームは着実に力を付けていった。一人一人の選手をよく見ているな、と感じていた。どうすれば活躍できるか、チームが強くなるか、という視点で。1年の時、先生の指示で左打ちに転向した。体格で劣る分、足を生かすためだった。選手としての可能性を広げてもらった。主将になったのも先生の一声。予想外の人選だったが 「お前の真面目さでチームを引っ張ってくれ」 と言われた。とにかく、みんな阿部先生を慕い、尊敬していたんじゃないかな。「先生を男にしよう」 が合言葉だった。−−阿部監督は、部員たちの就職の面倒もしっかり見ている。真摯に物事に取り組む姿勢やあいさつを徹底させる指導は、企業側からも信頼を得ていると聞く。自分も 「野球を続けたい」 と相談したら、軟式野球の県内強豪チームでもある猿田興業を勧められた。無事就職し、13年には県大会で優勝した。今の目標は全国大会出場。本当に良かった。−−OBになっても阿部監督、野球部との付き合いは続く。阿部先生とは何度か食事に行かせてもらったし、部の同期で共に猿田興業で野球を続けている中邑(裕也投手)と一緒に部活にも顔を出す。毎年公式試合は見に行っている。昨年夏に甲子園出場を逃した後は、本当に悔しそうな顔をしていた。選手時代は知らない一面。自分を律していたんだと思う。−−甲子園に挑む後輩たちにエールを。自分たちの頃は東北大会で緊張してうまくプレーができなかった。でも、今のチームは普段通りの力を出し、結果を残した。そもそもの実力も着実にアップしている。今までの全OBが夢に見た舞台でプレーできるのは幸せなこと。みんな、悔いのないようにプレーをしてほしい。【聞き手・中村俊甫】